佐々木敦

「批評家養成ギブス」

数年前に僕は「音楽批評家養成ギブス」と称した集中講義を行ないました。今回は「音楽」というカテゴリーを取り払い、単に「批評家養成ギブス」とのみ題したレクチャーを開始します。対象や分野をひとつに限定せず、オーバージャンルで「批評的なるもの」の今日的なありようについて考えてみたいと思うからです。
 とはいえしかし、実を言うとそんな僕自身、今もって「批評」ということがどういうものなのか、ほんとうはよくわかっていません。過去数年、かなり意図的に「批評家」という肩書きを名乗ってきましたが、自分がやっていることが「批評」であるのか否か、何が「批評」であり何がそうではないのか、多少とも厳密に考え始めれば、そうするほどに、すぐにどんどん難しくなってきてしまいます。だからむしろ、この試みもまた、まず第一に僕自身が「批評とは何か?」を探り出すために出発する、と言うべきかもしれません。
 ブレインズは講師と受講者の距離の近さとインタラクションを何よりも大切に考えています。「音楽批評家養成ギブス」ではもっぱら僕が一方的に話すばかりでしたが、今回は受講者の方々に課題を与えて実際に「批評」を書いていただきます。月2回の内、前半(第一金曜)は僕が幾つかのテーマについて講義をし、後半(第三金曜)では皆さんが書いたテキストを講評します。理論と実践は別々のものではありません。「批評」という営みについては、とりわけそうだと思います。仮にも「養成ギブス」と題しているのですから、受講者の中から将来的にプロの書き手が誕生することを企図しています。
 好奇心が旺盛で、さまざまなジャンルに興味がある、読むのも見るのも観るのも聴くのも大好きで、更に書くこと、すなわち言葉(で一体何ができるのか?、というようなこと)にも強い関心を抱いている方に、ぜひご参加いただきたいと思います。

講義日程
9/21(金)・10/5(金) ・10/19(金)・11/2(金)・11/16(金) 
12/7(金)・12/21(金) ・1/18(金) ・2/1(金) ・2/15(金) 

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佐々木敦(ささきあつし)

1964年生まれ。批評家。HEADZ主宰。BRAINZ塾長。エクス・ポ編集人。著書に『(H)EARーポスト・サイレンスの諸相』『テクノ/ロジカル/音楽論』『ソフトアンドハード』『ex‐music』『テクノイズ・マテリアリズム』『ゴダールレッスンあるいは最後から2番目の映画』『映画的最前線』。早稲田大学、武蔵野美術大学で非常勤講師も務める。
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